2013/05/22

「偶然」は雨に落とされ必然となった


今、「nocturne(仮)」という曲を制作しています。

repairは「こわれたら、はじまり」をテーマにし、活動がはじまったのですが、
はじまりの《序文》があります。作品を作る時にいつもこの序文が頭をよぎります。

去年の3月位に小さなギャラリーで「華々しき隣人」という展示をしました。
音楽がついていない絵と言葉だけの作品を展示したのですが、この作品の基盤になったのがこの《序文》でした。 





有り難い事に最近repairについて、反応をダイレクトにもらう事が重なってあり、repairのはじまりを回想する時間が多くなったので日記に記そうと思いました。

2009年頃「こわれたら、はじまり」のテーマ以外は何のビジョンすらなく活動がはじまり、ずっと音楽をしていた2人ですが当初、外に出していた作品は絵と言葉だけでした。といってもはじめての展示は2011年で2年もかかりました。「The dinner」という展示で物語に出てくるお店のシェフの肖像画と得意料理を展示しました。物語といってもプロローグ的な物語で、本編はあと何年かしたら書きたいなと思っています。

そして迷走しながらも次は絵本を作ってみたりしました。
「あっちこっちマイマイ」というリュックを背負った主人公のかたつむりのマイマイがマイシェルを探す旅に出るお話です。かたつむりの心臓は殻の中にあるので、心臓のないかたつむりが旅をするという矛盾を乗せた、大人に向けたと言うか自分に向けた作品になりました。笑  今読む返すと自分の何かを確信に近づけたくて書いてたなと当時の記憶がよみがえります。あとやっぱりヤドカリじゃ出せないメッセージだったな。と思ったり。
ただ、私に絵本は向かないな。と、あとあと気付きました。笑

次の展示は毎週通ってたcafe 0,3milesの閉店が決まり、はなむけの展示をさせてほしい。とお願いして展示した「あまやどり」。 雨の音を秒針にみたて、過ぎて行った時間をテーマに作った作品たち。誰かや何かを思って作るという原点を思い出させてくれた展示でもあります。そして「滑空」という作品。店主おふたりに贈ったはなむけの言葉ですが、今の自分を動かす言葉にもなっています。

そしてこの次の展示が文頭にも書いた「華々しき隣人」です。
はじまりの《序》を違う角度でみたらこういう世界に見えました。という展示です。
色んな「隣り合わせ」に出くわし、嬉しいも悲しいも連なって広がって行く。という事を制作の過程で強く感じたのを覚えてます。
また、この展示の最終日にはじめて知人へ音楽のお披露目会をしました。人前でrepairとして演奏したのをきっかけにライブのオファーも受け始めました。第1回目が前バンドでとてもお世話になった場所 雲州堂での演奏。プロジェクターを使い、文字を投影し行ったライブ。2回目のライブは絵と言葉を投影し演奏。やっと「絵と音と言葉のユニット」らしくなったなぁと思いました。そしてインスタレーションも意識する様に。 
方向性と言うか、やりたい事が固まってきたなぁと感じた時に「偶然」にも色々な出会いがあり、広がりつながっていく。という「必然」。これを感じた時に「はっ」としました。

《序》にある「偶然は雨に落とされ必然となった」という自分の日記。

正直、自分で書いた言葉の意味がわからなくなる時があるんだけど、突然「あっ」て見える時がきて、血がめぐる感覚と共ににやけてしまう時がある。 で、また日が経ってぼやけてしまう。という繰り返しです。 これは私の言葉は生きてるってことなのかな。と思ったり、思わなかったり…。笑 しかも読んだ人の頭の中でそれぞれの呼吸で生きてくれてるのかな。と思ったり、思わなかったり…。



そして、ようやく2013年にアルバム「PIANOSCREAM」が完成し、またはじまりの予感がしています。

といっても私達にははじまりの予感しかなく、終わってもそれもはじまりなので果てしない2人です。 こうして過去の作品を振り返るのも楽しいのでまたどこかでそんな展示が出来たら良いなと思っています。日下の絵も振り返ってみると大分タッチがかわっていておもしろいです。
長々と書いてしまいましたが、これからもよろしくお願いします。という事でしめます。…?(笑) うまくしまらなくて心残りですが、次の演奏日も決まっていますので詳しくはまた書きます。