この作品はタイトルのついた一枚の絵からはじまりました。
一昨年の夏頃「曲が作れない」と手が止まっている私に日下がこの一枚を渡してきました。(いや、よこしてきた?。笑)
ピアノは木に引っかかり、届くはずのない長さのはしごを持った男がまぬけそうに立っている。
きわめつけに「フェスティバル」という戻す事の出来ない時間を添えたタイトル付で。
絵を見た感想は「フェスティバルに間に合わない」だったのを覚えています。
日下はこの絵に話を付けて絵本にしよう!と提案してきましたが、出口までの道のりがあまりにも遠く感じ
そもそも出口が見つかるとは思えませんでした。
でもピアノに向かえなかったので、とりあえず先の見えないまま話をかきはじめ、
なぜか後ろのページからはじまったノートは、ページの8割は(横棒ーで消された言葉)と(横入り)ばかりのページでした。
どうしても主人公と自分が重なり進まない日が続きました。
ただ、不思議な事にこの話を書き始めてから周りの環境がかわりはじめ、
何気なく付けていた日記が続きの糸口になったり、自分でも理解出来ずに書いた言葉にあとからなるほどな。と思ったり。
物語が完成した今となれば、日下の絵は粋なエールだったんだなぁ。と感じています。笑
そして物語が完成し、それを見て日下が絵を描き、更に音を作って行く。
絵と音と言葉のユニットとしてスタートしてよかったなぁ。と感じるばかりです。
はじめてこういった「物語を書く」に挑戦してみて、執筆中に出会えた人、作品、音楽、出来事がこの「フェスティバル」を書かせてくれました。
出会いが出会いを呼ぶ、という事を実感し皆々様には感謝の気持ちでいっぱいです。
また、この作品に触れて頂いてる皆々様にも感謝感謝でございます。
「さぁ、フェスティバルがはじまります」
はじまっています。
はじまっています。
どうぞよろしくお願いします
谷口