2014/11/19

音も 光も 火も 人も

monophonic tourの搬入へ丹波市島のロック製作所へ行っておもったことを。

私達はアナログなものがとても大好きですが、実際作品を作る為にデジタルは欠かせません。絵を描く為に、日下はパソコンを使い、夜演奏する為に谷口は電子ピアノとヘッドホンを使います。アップライトピアノから電子ピアノに変えた時、物足りなさを感じていたはずなのに、慣れてしまうと指に伝わる振動の事すら、耳が感じる空間を飛ぶ音の感覚の事すらすっかり忘れてしまいます。

先日ロック製作所で行ったリハーサルでグランドピアノを弾き、トロンボーンと共鳴する体験をして、はっとなりました。あぁ、これか!!と二人で大騒ぎ。笑
こんな当たり前の事も日常に適応するうちにすっかり麻痺し、忘れちゃうようです…。

ロック製作所でのんびり過ごすと、太陽は登って沈んでいくんだなぁ。と。
星はこんなに明るくて瞬いているんだなぁ。山から現れた月は神様〜と手を合わせたくなるほど神々しくひかっていたんだなぁ。  火ってあったかくて、こんなにロマンチックなものだったんだなぁ。とか。笑

ほんとうにふつうのことで、あたりまえやん。となるところですが、体験に勝る事はない。と確信。次のアトリエはグランドピアノがおもいっきり弾けるところ!という諸々の野望。笑


そして、この空間、生に勝るものはない。と確信したので、展覧会の様子を写真でたくさんお届けしようと思います。 ぜひ、生で体験して頂きたいというねがいをこめて。

午前の風景


朝の支度
日下はカレンダーの包装をし、谷口はピアノを弾く。そして、瀬畑さんはオープン準備。
料理してる音ってとってもいい!

BGMがわりにと演奏してみたり…

monophonic tourのことばの中に、「深く深く実を落とす」というのがあります。
今回は展示中に朽ちて、変化していくものも展示したくて生花を何本か飾りました。
どんなふうに変化していくのかな…

山名酒造の「萬歳」という今はなきお酒のケースで作られた壁側には、前回の東京でのmonophonic tourの作品を展示しております。

夕刻には「シロヒトリ」の帝国が現れます。
はなしに出てくる「シロヒトリ」漢字で書くと「白燈蛾」、響きも含めて、とても美しく思います。

じっくり絵を眺めながら言葉を見てもらいたい思い、絵の前に椅子を置いています。
ことばは脇役。断片的なことばから世界を広げてもらえたらと思います。

今回のテーマは「シロヒトリの帝国」です。
この帝国をのぞきこんでみました。そして、展示案にはなかった麹蓋をつみあげて、蟻が蟻塚をつくるような気持ちで、作り、展示する事にしました。


帝国を照らすランプはロック製作所で眠っていた、細見さんお手製のランプです。
隅に追いやられた物悲しさと蜘蛛の巣をまとった哀愁に惹かれ静寂で美しい帝国を照らしてもらう事にしました。

この席は「蜘蛛にのまれた No.OPERA」
九つの置かれた椅子に9人座り、順に朗読する風景をみたいなと想像したりしてみたり。

この一角は視聴ルームです。
monophonic tourのための「monophonic tour」という曲をカセットテープで視聴できる場所です。揺れる音は古い映画のようで、味があります。
ちなみにリトルプレスとカセットテープのセットで販売しております。
(※デジタル音源のダウンロードコードもついてます。音は揺れません。)
そして、このトランクはgallery201の櫛田さんのご好意で一緒に回る事になった相棒


アルコールランプに照らされる、「waltz for snow」
火ってうっとりします。
展示の絵はジークレー印刷という、インクを吹き付ける手法の美術印刷を使用しています。発色も普通の印刷では出ない素敵さです。ぜひじっくりみてください。
ちなみに絵の販売も行っています。詳しくはロック製作所の瀬畑さん(一人で切り盛りされてますのですぐにわかります〜)にお問い合わせください〜




まだまだ紹介仕切れていませんが、こんな感じで展覧会開催中です。
ぜひ小旅行にお越し下さい〜

ロック製作所